WO2006025153A1

WO2006025153A1 - 毛髪用止着具及びこれを備えたかつらとその装着方法並びにかつら装着用圧着具

Info

Publication number: WO2006025153A1
Application number: PCT/JP2005/012487
Authority: WO
Inventors: Masahiro Makino; Mayumi Toba; Sanae Sakuma; Yoshimi Sasaki; Akemi Sato; Satsuki Koyanagi; Mutsumi Kawasaki
Original assignee: Aderans Co., Ltd.
Priority date: 2004-08-30
Filing date: 2005-07-06
Publication date: 2006-03-09
Also published as: KR100845180B1; EP1785046A1; TW200607463A; KR20070043048A; MY139460A; AU2005278706A1; US20070261708A1; EP1785046A4; CA2578611A1; TWI276405B

Abstract

　かつらなどの頭飾品を毛髪に止着する方法であって、複数本の頭髪を挿通した状態で圧潰される管体（１１）と該管体（１１）の内周面に粘着層（１２ｂ，２２ｂ）を有する接着テープ（１２）により内張りしたネット部材（１３）とで構成された毛髪用止着具（１０）を頭飾品に固定し、管体（１１）に複数本の毛髪（１０１）を挿通して毛髪用止着具（１０）を圧潰する。これにより、毛髪（１０１）に対して毛髪用止着具（１０）を緊締すると共に、ネット部材（１３）の目から浸潤した粘着剤で毛髪（１０１）がネット部材（１３）と接着するので、頭飾品を毛髪に容易に確実に止着させることができ、かつ頭飾品が毛髪から抜け難くなる。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

Description

明細書

毛髪用止着具及びこれを備えたかつらとその装着方法並びにかつら装着用圧着具

技術分野

[0001] 本発明は、髪飾りやかつらなどの頭飾品を頭髪や擬毛等の毛髪に止着するのに用いる毛髪用止着具と、この毛髪用止着具を備えたかつら及びその装着方法に関し、さらに、上記毛髪用止着具によりかつらを装着する際に使用する圧着具に関する。背景技術

[0002] 従来、かつらその他の頭飾品を頭部に装着するために、例えば、ヘアピンやへアビンを加工した毛髪用ストッパーを頭飾品に固定し、この毛髪用ストッパーのピン部分を頭髪に差し込んで頭髪に挟持する方法や、接着剤を用いて頭飾品を頭髪に接着する方法や、糸などの結着具を用いて頭飾品を頭髪に結着して固定する方法などが知られている。

[0003] その他、例えば文献 1 (特開平 5— 321009号公報）には、鉤針で自毛 (頭髪)を分取して、弾性かつ潤性のあるゴムやプラスチックで成る収束具内に挿通し、この収束具内にさらに増毛体の基部を挿入することにより、増毛体を取り付ける方法が開示されている。文献 2 (実開平 7— 28924号公報）には、頭髪の親毛に部分かつらを取り付ける際に、部分かつらのネット部材ゃシート地を傷めないようにした親毛引き出し具が開示されている。文献 3 (特開平 10— 60721号公報)では、上記文献 1の収束具を、外層に硬質体、内層にゴム、ウレタン榭脂、その他の弾性合成樹脂シートを備えた二層構造とし、この止着具に毛髪を挿通した状態で収束具を押圧することで毛髪に取り付けている。この収束具は、簡単に且つ確実に圧し潰し作業が行なえるよう、 2〜3mm程度の口径（外径 3〜4mm程度）で長さが約 3〜4mmのアルミニウムや銅などの金属の管体で形成される。この金属製の管体をかつら本体の内面周縁に固着して、その管体に例えば頭髪を複数本挿通して管体を圧潰する場合、市販のペンチゃプライヤーなどの圧着具を用いて、アルミニウム管の全体を圧縮して、る。

[0004] 頭飾品が、所謂エクステンションなどの付け毛や、動植物，キャラクターグッズなどの装飾品を有するヘアアクセサリーであれば、これを頭髪に取り付けるための止着具が露呈していても見栄えのうえで差支えはない。しかし、かつらに用いる止着具の場合は、この止着具が露呈しないよう、止着具をかつらの下側に位置して隠蔽しなければならないため、そのサイズや口径をできるだけ小型に形成しなければならない。ところ力ヘアピン状の止着具は、そのサイズや口径を小さくするには限界があり、ヘアラインに沿った位置に取り付けるとかつらの浮き上がりが生じてしまって、好ましくない。

[0005] 上記文献 1や 3に開示された止着具を用いて、頭髪を管体に挿通させて保持させる場合は、管体の中空部内に毛髪を多量に押し込んで止着具に加えた圧着力で自毛に取り付けるようにしているので、管体と毛髪との摩擦係合力が弱ぐ自毛から止着具が抜け落ち易い。

[0006] ところで、毛髪を挿通した上記止着具を押し潰すため、市販のプライヤーを用いている。市販のプライヤーの挟み部は、軸と直行する横方向の幅長が先端に向かって徐々に先細になってはいる力最先端の最も狭い幅長箇所でも、ほぼ 4mm以上の幅に形成されている。このため、市販のプライヤーでは、上記毛髪用止着具のよう〖こ長さが約 3〜5mmの極めて短い長さのアルミニウム管をその全長にわたって押し潰すことになつてしまう。このように毛髪用止着具の全体を圧潰して毛髪に固定した場合、数日後にこの毛髪用止着具を毛髪力取り外す際に、鉗子や鉤針を用いて圧潰した管体の両端部を再び押し開!、て毛髪から取り去る作業が必要となるので、大変厄介である。また、金属製の管体に毛髪を挿通して管全体を押圧すると、押圧力が分散して管体全体が扁平になり、且つプライヤーの挟み部で管体外周に付く凹部が浅くなるため、管体と挿通した毛髪との間の隙間が大きくなる。そのため、挿通した毛髪に対する締め付け力が弱く管体が毛髪力抜け落ち易ぐまた圧潰された管体の両端部近傍の毛髪が切れ易くなる。

発明の開示

発明が解決しょうとする課題

[0007] 本発明は上記課題に鑑み、髪飾りやかつらなどの頭飾品を頭髪や擬毛等の毛髪に確実に且つ容易に止着することができると共に、ー且、止着した後は毛髪から抜け難い毛髪用止着具を提供することを第 1の目的とする。本発明の第 2の目的は、確実且つ容易に止着でき、ー且、止着した後は毛髪から引き抜け難い上記毛髪用止着具を備えたかつらを提供することにある。

本発明の第 3の目的は、上記毛髪用止着具を備えたかつらを頭部に確実に且つフイット性良く装着する方法を提供することにある。

さらに本発明の第 4の目的は、毛髪を挿通した上記毛髪用止着具を圧潰するための圧着具であって、上記かつらを頭部に装着する際に、上記毛髪用止着具の一部だけを圧縮することで圧着具の挟み部よりも幅の狭い凹みを毛髪用止着具に形成し得る圧着具を提供することにある。

課題を解決するための手段

[0008] 上記第 1の目的を達成するために、本発明の毛髪用止着具は、複数本の毛髪を挿通する管体とこの管体の内周面に、好ましくは粘着剤で内張りしたネット部材とを備えたことを特徴とする。管体にネット部材が内張りされているので、毛髪が管体から抜け難くなる。毛髪用止着具を偏平に押し潰すことで、ネット部材の下側の粘着剤層が変形して粘着剤が網目力も浸潤し、挿通した毛髪と絡み合って毛髪と接着するので、毛髪用止着具を毛髪に確実に止着することができる。

前記管体は好ましくは、アルミニウム，金，銀，銅，銅ニッケル合金等の金属でなる圧潰可能な短筒で形成される。この管体は、好ましくは肉厚が 0. 2mn！〜 0. 3mm, 長さが 2. 5mn！〜 3. 5mmの短径且つ短筒状に設定される。前記ネット部材は、両面に粘着剤層を有する両面接着テープによって管体内表面に接着して内張りされる。接着テープを用いてネット部材を管体に内張りすると、毛髪を管体に挿通する際は毛髪と粘着剤層とが直に接触しないので毛髪の挿通が容易であり、挿通後、毛髪用止着具を毛髪の根元付近まで移動させて管体を圧縮することで毛髪を緊締すると共に、同時にネット部材の目力粘着剤が浸潤して毛髪がネット部材に接着されるので、毛髪が止着部材力抜けたり緩んで移動することなぐ毛髪に対して毛髪用止着部材を確実に固定させることができる。また、コンパクトなサイズの管体を用いることで毛髪を揷通し易くなると共に、使用後も取り外し易くなる。

[0009] 本発明のかつら装着用止着具は、複数本の頭髪を挿通する圧潰可能な管体及び管体の内周面に内張りしたネット部材を備えた止着具本体と、止着具本体をかつらの内面に固定する固定部材と、を具備し、管体に複数本の頭髪を挿通した状態でこの管体を圧潰することにより、頭髪と止着具本体とでかつらを頭部に保持するように構成されている。止着具本体にネット部材が内張りされているので、管体に挿通した複数本の頭髪との接触面が増大し、ネット部材が滑り止め機能を発揮する。この機能を有するネット部材を内張りした止着具本体力固定部材でかつらの内面に固定されて、ることで、かつらが頭部力容易に外れな、ように確実に保持されて装着されることがでさる。

固定部材は、好ましくは、止着具本体を固定する基部と、基部表面に備えた粘着剤層と、基部背面に止着具本体を固定する紐とからなり、基部表面の粘着剤層をかつら内面に貼着してかつらに固定する。固定部材の基部を、芯材の表面に塗布した粘着剤層を有する接着テープで構成し、基部背面の芯材に止着具本体を固定してもよい。固定部材の基部を、芯材の表面及び背面に塗布した二つの粘着剤層を有する両面接着テープで構成し、基部背面の粘着剤層に止着具本体を貼着してもよい。紐は止着具本体の管体に挿通され、かっこの紐の両端を基部に貫通して結着することで、止着具本体を基部に固定してもよい。

本発明の止着具をかつらに利用した場合、圧潰させた管体中のネット部材が頭髪を摩擦係合して確実に保持すると共に、粘着剤により頭髪とネット部材とが接着され且つ頭髪同士も接着されるので、かつらのずれや脱落が生じない。従って、このかつら装着用止着具をかつら本体内面の周縁に複数個備えることで、止着具本体に挿通した頭髪を確実に止着でき、ずれや脱離を生じず、安定してかつらを装着することができる。

上記第 2の目的を達成するために、本発明の毛髪用止着具付きかつらは、かつら本体とかつら本体内面の周縁に固定した複数の毛髪用止着具とから構成し、毛髪用止着具を、複数本の頭髪を挿通し挿通状態で圧潰される管体と、該管体の内周面に内張りしたネット部材と、このネット部材と管体内壁との間に介在させてネット部材を管体に接着する接着テープとで構成することを特徴としている。好ましくは、管体の軸がかつら本体の周縁に対して直角方向になるように、毛髪用止着具をかつら本体内周縁に固定する。本発明のかつらでは、かつら本体内面の周縁に固定された各毛髪用止着具にネット部材が内張りされているので、このネット部材が滑り止め機能を発揮し、挿通している頭髪から抜け難い。従って、結果としてかつらが頭部から容易に脱離することなぐ確実に保持され装着感が向上する。毛髪用止着具をかつら本体の周縁に対して直角方向に固定すれば、ヘアラインに沿って毛髪用止着具の周囲に在る頭髪を管体に容易に挿通させることができる。

上記の第 3の目的を達成するため、本発明のかつら装着方法は、複数本の頭髪を挿通した状態で圧潰される管体と管体の内周面に粘着剤層を有する接着テープにより内張りしたネット部材とで構成した複数の毛髪用止着具を、かつら本体内周縁に適宜の間隔で固定し、かつら本体を装着者の頭部に載置した状態で、管体に複数本の頭髪を挿通して毛髪用止着具を頭皮近傍へ移動させ、次いで、頭髪を挿通した管体を圧潰することにより頭髪に対して毛髪用止着具を緊締すると共に、ネット部材の網目から浸潤した粘着剤で頭髪をネット部材と接着し、管体への頭髪の挿通、頭皮近傍への移動及び圧潰を順次行うことで、複数の毛髪用止着具を頭髪に固定することにより、かつらを頭部に装着することを特徴とする。かつら本体の内面周縁に設けた各毛髪用止着具にはネット部材が内張りされており、該ネット部材が滑り止めとして機能するので、挿通している頭髪力も抜け難い。従って、毛髪用止着具が頭髪から容易にずれたり抜け落ちたりしないので、かつらを頭部力外れ難くすることができる。また、各毛髪用止着具に毛髪を挿通して圧着するだけで、簡単に短時間で、かつらを頭部に装着することができる。

両面接着テープを用いて毛髪用止着具のネット部材が内張りされていると、頭髪を管体に挿通する際に直に頭髪と両面接着テープの粘着剤層とが接触しないので頭髪の挿通が容易である。頭髪を揷通後、毛髪用止着具を頭髪の根元付近まで移動させて管体を圧潰することで頭髪を緊締すると共に、同時にネット部材の目から粘着剤が浸潤して頭髪をネット部材で接着することになるので、頭髪が止着部材カも抜けたり緩んで移動することなぐ頭髪に対して確実に毛髪用止着部材を固定させることができる。コンパクトなサイズの管体を用いることで、頭髪を挿通し易くなると共に、使用後も取り外し易くなる。かつらを装着している間、かつら本体内周縁に固定している各毛髪用止着具が頭髪力容易に抜けないので、かつらが頭部力ずれたり外れたりすることなぐ安定して良好な装着感が得られる。

上記第 4の目的を達成するために、本発明は、一対の杆体を軸部を中心に回動可能に軸支し、この杆体の軸部より先端側に形成した挟み部同士で毛髪用止着具を圧着する圧着具であって、一方の杆体に形成した挟み部に、凸部を杆体の長手方向に延設するように形成し、挟み部同士で毛髪用止着具を挟扼、即ち所定の押圧力で締め付けることにより、上記凸部に対応する線状又は細幅状の凹部を毛髪用止着具に形成することを特徴とする。

上記圧着具の一対の杆体の後端側を握持して挟み部同士で毛髪用止着具を挟扼する際に、一方の挟み部に形成した凸部が毛髪用止着具を押圧し線状又は細幅状の凹部を毛髪用止着具の一部に形成するので、毛髪用止着具の両端又は一端が完全に圧潰されることなぐ毛髪用止着具の一部だけを確実に圧潰することができる。毛髪用止着具を圧縮する場合には、柔らかい毛髪を止着具の管体に挿通して管体の外周の一部、例えば中央部分を圧着具の凸部で押圧することで、凸部に局所的に押圧力が作用する。挟み部の一方に長手方向の凸部がまた他方に上記凸部と交わる方向に溝が形成されていることで、管体外周に形成される凹部が深くなつて、管体内部とこれに挿通した毛髪との間の隙間が小さくなるため、挿通した毛髪の締め付け力が強ぐそのため毛髪に止着した止着具が毛髪力抜け難くなると共に、管体の両端部は強く圧潰さないので、管体両端部近傍の毛髪が切れ難い。毛髪用止着具を頭部から取り外す際に管体の両端部は強く圧潰されていないので、鉗子や鉤針などの取外し具を管体の両端部に挿入し易くなり、取外し作業が楽に行える。一方の挟み部に形成する凸部の高さと幅の寸法を適宜調整することで、毛髪用止着具の圧潰の深さとその幅を好適に設定することができる。

好ましくは、前記一対の杆体のうち、他方の杆体に形成した挟み部には、滑り止め用の溝が前記凸部と交わる方向に一本以上形成される。これにより、毛髪用止着具を挟持して押圧する際、毛髪用止着具が滑ることなぐ毛髪用止着具に確実に凹部を形成することができる。前記凸部は一筋以上形成される。凸部を適宜一筋又は複数筋形成し得ることにより、毛髪用止着具のサイズに応じて、或いは所望の箇所と数の凹部が形成でき、各利用形態に応じて圧着具を使い分けることができる。上記凸部は、杆体の一対の挟み部に、各杆体の長手方向に延設してそれぞれ形成されていてもよぐその際、各挟み部の対応する同一の位置にそれぞれ形成されていても、或いは、異なる位置にそれぞれ形成されてヽてもよヽ。

[0013] さらに、本発明の圧着具によれば、圧着具の一方又は一対の挟み部の凸部により、毛髪用止着具を押圧してこれに線状又は細幅状の凹部を形成し得るので、管体の一部、典型的には管体の中央部だけを確固に圧着することができる。挟み部に形成する凸部の幅の大きさを適宜設定することで、圧着具の挟み部の幅よりも小さい凹部を形成することができる。よって、毛髪用止着具の管体を圧着具の凸部で押圧することで、その押圧した管体の中央部分では管体に挿通した頭髪と管体との間に隙間が生じないので、毛髪用止着具が頭髪力も容易に抜け落ちない。また、管体の両端側では強く圧縮されないため両端側が少し開いた形状になることから、毛髪用止着具を頭髪力取り外す場合は、鉗子や鉤針などの取外し具を管体に挿入し易くなり、管体の内周を容易に広げることができる。よって、この毛髪用止着具の取り外し作業を容易にかつ迅速に行うことができる。

図面の簡単な説明

[0014] [図 1]本発明の毛髪用止着具の一例を示した概略図で、（A)は側面図、（B)は A— A 線に沿う断面図である。

[図 2]本発明の毛髪用止着具の使用形態の一例を示した斜視図である。

[図 3]本発明のかつら装着用止着具の概略図で、（A)は斜視図、（B)は B— B線に沿う断面図である。

[図 4]本発明の毛髪用止着具付きかつらの一例を示す概略図である。

[図 5]図 4のベース外周縁としての周縁枠部材周辺の斜視図である。

[図 6]図 5の C— C線に沿う断面図である。

[図 7]図 4とは異なる形態の毛髪用止着具付きかつらの一部を示した斜視図である。

[図 8]図 4の毛髪用止着具付きかつらを頭部に装着する方法を示した概略図で、 (A) は毛髪用止着具の中空に自毛を揷通させる段階、（B)は毛髪用止着具を圧着する段階の概略図である。

[図 9]本発明の圧着具の概略図である。 [図 10] (A)は、図 9の一方の挟み部の斜視図で、（B)は D— D線に沿う断面図、（C) は図 9の他方の挟み部の斜視図、（D)は E— E線に沿う断面図である。

[図 11]本発明の圧着具の握持部を握持することで、各挟み部が接触する様子を示した図で、（A)はその側面図、（B)は挟み部の先端側力も見た平面図である。

[図 12]本発明の管状の毛髪用止着具を圧着具で圧着する過程を模式的に示した図で、（A)〜(C)は側面図、（D)〜(F)は毛髪用止着具の先端側力も見た斜視図、 (G

)は圧着した後の毛髪用止着具の斜視図である。

[図 13] (A)は圧着具の別の使用形態の一例を示した斜視図、 (B)は (A)の矢印 Fから見た様子を示した図である。

[図 14]本発明の圧着端子の管部を圧着具で圧着させた後の圧着端子を示した平面図である。

符号の説明

10, 20 毛髪用止着具

11 管体

12, 22 両面接着テー:

12a, 22a 芯

12b, 12c, 22b, 22c 粘着剤層

12d, 22d 剥離紙

13, 32 ネット部材

15, 34 擬毛

16 管体の凹部

21 基部

23, 43 紐

30, 40 毛髪用止着具'

31 力つら本体

33 周縁枠部材

100 頭部 111 軸部

115a, 115b 挟み部

116, 117 挟持面

116a 凸部

116b 切削面

118

発明を実施するための最良の形態

[0016] 本発明は以下の詳細な説明及び本発明の幾つかの実施の形態を示す添付図面によって、よりょく理解され得る。添付図面に示す実施例は本発明を特定又は限定するものではなぐ本発明の趣旨の説明及び理解を容易とするためだけのものである。各図にお 1、て同一又は対応する部材には同一符号を用いる。

[0017] (1)一実施形態による毛髪用止着具の構成

先ず、本発明の毛髪用止着具 (単に、止着具という。 )について説明する。この止着具は、例えば頭髪に取り付けるために複数本の頭髪を挿通する管体と、この管体の内周面に内張りされたネット部材とを備えている。図 1はこの止着具の一例を示す概略図で、（A)は側面図、（B)は A— A線に沿う断面図である。止着具 10は、図 1に示すように、管体 11と、管体 11の内周面に挿通して接着される粘着剤としての両面接着テープ 12と、該両面接着テープ 12の表側（内側）に接着されたネット部材 13とで構成される。管体 11、両面接着テープ 12及びネット部材 13は何れも肉薄であり、図面では誇張して描いている。

[0018] 管体 11は金属、例えばアルミニウム，金，銀，銅，銅ニッケル合金材などの圧潰可能な短筒で形成され、金属色の光沢を抑えるため管体 11の外周を肌色或いは灰色などの目立たない色に着色すると共に、反射防止剤を施している (塗装部分は図示せず。 ) o管体 11の断面形状は図 1 (A)に示すように楕円状であっても或いは真円であってもよいが、管体 11に毛髪を挿通した後、圧着具を用いてこの管体 11を圧縮して毛髪が引き抜けにくい程度に押し潰す (これを圧潰と称する。）ので、作業性を考慮すると管体 11は断面楕円状に形成されていることが好ましい。管体 11は、例えば、肉厚が 0. 2〜0. 3mm、特に 0. 25mm程度、内径（口径）が 2. 5〜3. 5mm程度、長さが 2〜5mm、特に 3mm程度のアルミニウム又は銅で構成されていれば、作業性の点でも有利で、毛髪の保持力の点でも好ましい。管体 11に所定量の毛髪を挿通させて保持させる必要から、管体 11の内表面積は 7mm²程度あれば十分である。止着具 10は、後述するように毛髪を挿通した状態で圧潰されるので、管体 11の長さは、圧着具で圧潰することができる必要最低限の長さ、即ち、上記のように 2〜5mm、特に 3mm程度で十分である。

[0019] 粘着剤は、芯材 12aと、芯材 12aの両面に設けた粘着剤層 12b, 12cと、粘着剤層 12cの外側に剥離可能に貼り付けた剥離紙 12dとで構成された公知の両面接着テープ 12であってよい。この両面接着テープ 12は皮膚に直接接触させるものではない力粘着剤を頭髪に付着させることから医療用の接着テープが好適で、その粘着剤は!ヽゎゆる感圧式接着剤が好まヽ。

[0020] ネット部材 13は、フィラメントを所定のメッシュで編織したものでも、又はフィラメントを単に縦横に格子状に配置して構成したものであってもよい。ただし、管体の口径が、後述するように 2〜3mm程度と極めて細いので、フィラメントの線径もそれに応じて細径、例えば 0. 03mm〜0. 1mm程度で、且つ 50〜100メッシュ程度の小さな網目となっていれば扱い易い。

[0021] (2)止着具 10の作製方法の一例

先ず、ネット部材 13の裏側に両面接着テープ 12の片面側の粘着剤層 12cを貼り付ける。次に、上述した構成の管体 11内に、ネット部材 13を内側にして両面接着テープ 12を丸めて挿通する。そして、他方の粘着剤層 12bを管体 11の内周面に接触させ、丸めたネット部材 13と両面接着テープ 12とが広がろうとする復元力を利用して、他方の粘着剤層 12bを管体 11の内周面に接着する。以上の工程を経ることにより、管体 11の内表面に粘着剤を介してネット部材 13を接着した毛髪用止着具 10を作製することができる。

[0022] (3)毛髪用止着具 10の使用形態の一例

毛髪用止着具 10は、髪飾りやかつらなどの頭飾品を頭髪ゃ義毛等の毛髪に確実に装着するのに好適である。即ち、毛髪用止着具 10は、動植物やキャラクターグッズなどの装飾品を有するヘアアクセサリーや、所謂エクステンションなどの付け毛を髪飾りとして頭髪に取り付ける際の止着具として使用することができる。この場合、本発明の止着具 10に種々の色彩を施してビーズのように優れた装飾性を出現させることで止着具 10も髪飾りの一部を構成する。別の使用形態として、毛髪用止着具 10をかつらの内側に取り付けて、かつらを装着するための止着具として利用することができる。この場合は、止着具の管体 11に頭髪を挿通し頭髪の根元近傍で止着具を固定すれば、止着具が小さいことでかつらの内側に十分に隠蔽され得る。何れの使用形態においても、止着具 10の管体 11に頭髪を挿通して管体 11を圧潰することで、頭髪に管体 11を係止させる。管体 11の中に挿通させる頭髪量は、かつらの場合、頭髪の生えている密度にもよる力おおよそ 20〜： L00本程度とすればよい。あまり多量の頭髪を挿通させようとすると、管体 11の直径より広い面積で頭髪をかき集めること〖こなるので、止着具を頭髪の根元近傍まで移動させることが困難となる。

[0023] 以下、具体例を挙げて説明する。

図 2は毛髪用止着具 10の使用形態の一例を示した斜視図である。図 2に示すように、毛髪用止着具 10の外周 11aに、所望の色彩の擬毛 15を付設することにより、所謂ヘアエクステンションとして利用してもよい。図では擬毛 15は僅か一部し力示されていないが、所望により擬毛 15を外周全体に密生して付設することができる。擬毛に代えて動植物やキャラクターグッズなどの装飾品を止着具に付けてヘアアクセサリーとして利用してもよい。

[0024] 先ず、この止着具 10の管体 11内に頭部 100から生えている自毛 101の一部を纏めて揷通する。止着具 10の内周側にはネット部材 13が設けられているので自毛 101 を挿通し易!ヽ。両面接着テープ 12の粘着剤層 12cはネット部材 13の外側で管体 11 の内周との間に在るから、自毛 101の揷通時に自毛に粘着剤が付着することもない。よって、止着具 10を取り付ける作業者の手や指に粘着剤が付着することなく容易に挿通作業が行なえる。

[0025] 自毛 101の根元近傍まで止着具 10を引き下げたら、作業者が管体 11をペンチやプライヤーなどの圧着具 110で圧潰することにより、止着具 10を自毛 101に装着することができる。止着具 10が圧着具 110で圧着されると、止着具 10に内張りされたネット部材 13と自毛 101とが圧接し合う。よって、たとえ外力の付カ卩により自毛 101から止着具 10が引っ張られてもネット部材 13で自毛 101が摩擦係合するため滑り難くなり、自毛 101から止着具 10が抜け難くなる。また、止着具 10が圧潰されることで、ネット部材 13の下側の接着層 12cから網目を通って粘着剤が浸潤し、止着具 10に挿通した自毛 101とネット部材 13及び自毛同士が一部接着するので、止着具 10が自毛 10 1から一層抜け難くなる。

[0026] 次に、本発明の毛髪用止着具をかつらに用いる例について説明する。

図 3は、本発明のかつら装着用止着具 20の概略図で、（A)は斜視図、（B)は B— B 線に沿う断面図である。本発明の毛髪用止着具 10は、かつら本体に取り付け易くするために、固定部材を備えている。この固定部材付きの止着具 10を以下、場合によりかつら装着用止着具 20と称する。固定部材は、止着具 10を載置して固定する基部 2 1とその背面側に外方に粘着層を有する接着テープ 22が取り付けられた構成でなる。止着具 20は、図 3 (A) , (B)に示すように、固定部材の基部 21に毛髪用止着具 10 を紐 23により固定し、さらに、基部 21で毛髪用止着具 10を固定しない側に、粘着剤層を有する接着テープ 22を取り付けることで構成されている。固定部材の基部 21としては、ウレタンなどの合成樹脂の肉薄のシートが用いられるのが好ましい。

基部 21への止着具 10の固定は、図 3 (B)に示すように紐 23を用いて基部 21に止着具 10を縫着する。この際、紐 23を管体 11に挿通して基部 21に結着して紐 23の両端を結んで締結する。

[0027] 接着テープ 22は、芯材 22aの両面に粘着剤層 22b, 22cを有する両面接着テープが好適である。基部 21と芯材 22aとが一方の粘着剤層 22bで接着され、他方の粘着剤層 22c側には、剥離紙 22dが貼り付けられている。両面接着テープに代えて片面接着テープを用いても勿論構わない。片面接着テープを止着具 10の基部 21へ固定する場合は、芯材を基部 21と別途接着剤で貼り合わせるか、或いは紐 23を兼用して芯材を基部 21と結着すればよい。または片面の接着テープの芯材を基部 21として利用し、この芯材の上に止着具 10を直接載置して紐 23で結着するようにしてもよい。この場合は、接着テープの芯材を頑丈でやや硬質な材料とする。上記片面接着テープに代えて、両面接着テープを用いても構わない。この場合も同様に、芯材 22aとして接着テープの芯材を頑丈でやや硬質な材料で形成する。両面接着テープ 22の一方の粘着剤層 22bの上に毛髪用止着具 10を直接載置して紐 23で結着することで、管体 11表面の粘着剤による接着と紐での結着とが相俟って、毛髪用止着具がかつらに強固に固定される。

[0028] (4)止着具付きかつらの構成例

上記したように、かつら装着用止着具 20は、複数本の頭髪を挿通する圧潰可能な管体 11と管体 11の内周面に内張りしたネット部材 13とを備えた止着具本体 10と、止着具本体 10をかつらの内面に固定する固定部材とを具備する。このかつら装着用止着具 20を用いてかつら 30を構成し、管体 10に複数本の頭髪を揷通保持して該頭髪と止着具本体 10とでかつらを頭部に装着することができる。すなわち、本発明のかつら装着用止着具付きのかつら 30は、図 4に示すように、止着具本体 10と頭髪とで頭部に装着するものである。図 4では、毛髪用止着具付きかつら 30を頭部に装着する側、つまり、かつら本体の内面を示している。毛髪用止着具付きかつら 30は、図 4に示すように、かつら本体 31内面の周縁にかつら装着用止着具 20を複数個接着して固定したものである。かつら本体 31は、例えば網地により形成したネット部材 32と、かつら本体 31の形状及びサイズを画成する、ベース外周縁としての周縁枠部材 33と、ネット部材 32及び周縁枠部材 33に植設される多数の擬毛 34と、で構成される。

[0029] 図 5は図 4の周縁枠部材 33の一部拡大斜視図であり、図 6は図 5の C C線に沿う断面図である。図 5に示すように、かつら装着用止着具 20は、その軸が周縁枠部材 3 3の延設方向に交わるように、即ち管体 11の軸が周縁枠部材 33の延設方向と互、に直交する方向に、固定部材を介して周縁枠部材 33に接着されている。これは、自毛 101が頭皮に対して略垂直に生えるので、その生える方向に沿って毛髪用止着具 10の軸を配置することで、自毛 101を管体 11内に挿通し易くするためである。周縁枠部材 33へのかつら装着用止着具 20の接着は、この止着具 20の固定部材としての両面接着テープ 22から剥離紙 22dを剥がして粘着剤層 22cを周縁枠部材 33に貼り付ければよい。

[0030] 図 7は、図 4とは異なる形態の毛髪用止着具付きかつら 40の一部を示した斜視図である。毛髪用止着具付きかつら 40は、図 7に示すように、止着具 10を、ベース外周縁としての周縁枠部材 33に直接紐 43で縫、合わせて固定したものである。例えば、止着具 10の管体内に紐 43を揷通して周縁枠部材 33と縫い合わせ、紐 43の両端を結ぶことで、毛髪用止着具 10を周縁枠部材 33に固定する。なお、周縁枠部材 33への止着具 10の固定は、紐 43の代わりに、かつら本体 31に植設された擬毛を止着具 10に揷通し、この擬毛を他の擬毛と結ぶことで行なってもよい。

[0031] (5)かつら 30, 40の頭部への装着方法

図 8は、図 4の毛髪用止着具付きかつら 30を頭部に装着する方法を示す概略図で、（A)は毛髪用止着具 10に自毛 101を挿通させる段階、（B)は毛髪用止着具 10を圧着 (圧潰)する段階の概略図である。

頭部への毛髪用止着具付きかつら 30の装着は、以下の手順で行なう。先ず、頭部 100に毛髪用止着具付きかつら 30を載せて位置合わせし、図 8 (A)に示すように、かつら 30の周縁枠部材 33を作業者の指 102, 103で捲り上げる。鉤針 2 00を毛髪用止着具 10の管体 11に挿入して、鉤針 200の先端部を自毛 101に引つ掛けて、管体 11から鉤針 200を引き抜く。これで、止着具 10の管体に自毛 101を挿通させることができる。止着具 10の内周側にはネット部材 13が設けられていることから自毛 101を挿通し易い。また、ネット部材 13の外側にある接着テープ 12の粘着剤層 12cが直接自毛 101に付着することがないので、毛髪用止着具 10を取り付ける作業者の手に粘着剤が付着することもなぐ自毛の挿通作業が容易にできる。

[0032] 引き続き、図 8 (B)に示すように、作業者は、かつら 30の外周枠部材 33を捲り上げた状態で、自毛の基端側に向カゝつて止着具 10を頭皮近傍まで移動させ、管体 11〖こ挿通した自毛 101を指 102, 103で掴んで整え、プライヤーやペンチなどの圧着具 1 10で、管体 11の外周を圧縮して適度に圧潰する。このとき、止着具 10に挿通した自毛 101の方向に対して直交する方向に、即ち管体 11の長さ方向に対して垂直な方向に管体を圧着すると、止着具 10の圧潰により自毛 101がネット部材 13の適度な弾力で圧迫されるので、ネット部材 13により摩擦係合してズレが防止される。さらに、管体 11を圧着するとネット部材 13の外側に配置されてヽる粘着剤層 12cが変形してネット部材 13の網目力もこの粘着剤が漏出するので、自毛 101同士が、そして自毛とネット部材 13とが浸潤した粘着剤によって接着されることになる。従って、自毛 101は、適度な圧潰による緊締と粘着剤による接着とにより、止着具 10に確実に保持され、自毛 101に引張力が作用しても、容易にずれたり引き抜かれたりすることがない。この作業を、かつら 30の内周縁に設けた複数個の各止着具 10についても同様に行うことにより、かつら本体 31を頭部 100に確実に安定して装着することができる。

[0033] 以上のように、管体 10に複数本、例えば 20本〜 200本程度の頭髪 101を揷通して止着具 10を頭皮近傍へ移動し、管体 11を圧潰して頭髪に対して止着具 10を締結し、このように、管体 10への頭髪の揷通、頭皮への移動及び圧潰を順次行って、複数の止着具を頭髪に固定することにより、かつら本体 31を頭部 100に装着する。かつら 30内面の周縁に設けた各止着具 10に自毛を揷通して圧着するという簡単な作業により、毛髪用止着具付きかつら 30を頭部 100に止着することができる。毛髪用止着具付きかつら 30を頭部 100から外す際には、前述したように止着具 10の管体の中空を広げて外すことで簡単に止着具 10を自毛 101から取り外すことができる。

[0034] 次に、本発明の止着具と従来技術による止着具との効果上の比較試験について説明する。

管体 11に配置したネット部材 13と粘着剤 12とを備えた本発明の止着具と比較するため、従来技術として文献 3 (特開平 10— 60721号公報）に記載のような、管体の内周にネット部材の代わりにウレタンゴムを配置した毛髪用止着具を製作した。これに毛髪を挿通してプライヤーで圧潰すると、ウレタンゴムが管体の両端からはみ出してきて使用に耐えなかった。

そこで、ウレタンゴムを内張りした上記止着具に毛髪を挿通し、ウレタンゴムが管体の両端カゝらはみ出さない程度の押圧力下で圧潰したものを製作し、毛髪保持力の試験を行った。本発明による止着具も同程度の押圧力で圧潰したものを製作して同様の比較試験を行った。その結果、従来の止着具では約 0. 2〜0. 5kgfZmm²程度で毛髪が容易に引き抜けるのに対し、本発明による止着具では約 0. 8〜2. 3kgf/ mm²の荷重に耐え、毛髪保持力が従来技術に比して格段に優れていることが分かつた。これは、ネット部材による毛髪の引っ掛力り性がウレタンゴムのそれより高ぐまた、本発明では接着テープの粘着剤が漏出してネット部材と毛髪及び毛髪同士の接着に寄与して、ることが影響して、るためである。 [0035] (6)止着具に用いる圧着具の構成例

次に、本発明の毛髪用止着具を圧潰するのに好適な圧着具について説明する。図 9は本発明の圧着具 110の概略図であり、図 9に示すように、軸部 111で互いに回動可能に軸支された一対の杆体 112a, 112bと、一対の杆体 112a, 112bの後端側にそれぞれ形成された握持部 113a, 113bと、一対の杆体 112a, 112bの回動を阻止して元の状態に戻す板ばね 114a, 114bと、を備える。即ち、圧着具 110は、一対の杆体 112a, 112bがその長さ方向前方部に備えた軸部 111で結合して構成され、軸部 111を中心に、一対の杆体 112a, 112bの後端側の握持部 113a, 113bが接近するように回動し、一対の杆体 112a, 112bの先端側にある挟み部 115a, 115b がそれぞれ逆向きに回動して、挟み部 115aと挟み部 115bの対向する挟持面が互いに接触する。握持部 113a, 113bが対向する内側には各板ばね 114a, 114bが配設され、握持部 113a, 113bを把持すると板ばね 114a, 114bが相互に圧縮されることで、握持部 113a, 113bの回動を元に戻し、挟み部 115aと挟み部 115bが非接触状態となる。このように非接触状態にするには、図示した板ばね 114a, 114bに限らず、コイルばねでもよい。

[0036] 図 10 (A)は図 9の一方の挟み部 115aの斜視図、（B)は D— D線に沿う断面図、（ C)は図 9の他方の挟み部 115bの斜視図、（D)は E— E線に沿う断面図である。圧着具 110の一方の挟み部 115aは、図 10 (A)に示すように、その内側の挟持面 116に、凸部 116aが挟み部 115aの長手方向に延設して形成されている。この凸部 116a は、挟み部 115aの挟持面 116から左右の各先端側を切削して切削面 116b, 116b を形成することで、杆体 112aの長手方向に延設して形成される。凸部 116aは、必要により又は所望により挟み部 115aの挟持面 116に一筋で形成されていても、複数筋で形成されていてもよい。凸部 116aの幅は、挟持面 116の幅より狭いことを条件に任意の寸法に設定できる。図 10に示す凸部 116aは、挟持面 116の中央に形成されているが、左方又は右方に形成されていてもよい。

一方の挟み部 115aに対向する他方の挟み部 115bは、図 10 (C) , (D)に示すように、その内側の挟持面 117に、挟み部 115bの長手方向に略垂直になるように溝 11 8がー本以上形成されている。即ち、挟み部 115bの挟持面 117の先端側に溝 118 がー本以上、一方の挟み部 115aに形成した凸部 116aと交わる方向に形成されている。上記溝 118は被圧着物を挟み部 115a及び 115bで挟むとき、被圧着物としての毛髪用止着具がズレな、ように滑り止めの働きをする。

[0037] 以上のように、本発明実施形態の圧着具 110は、その一対の挟み部 115a, 115b のうち、一方の挟み部 115aに杆体の長手方向に延設した凸部 116aが形成され、他方の挟み部 115bには杆体の長手方向に垂直な方向に溝 118が形成されて、る。この圧着具 110を用いて毛髪用止着具 10の管体 11を力しめる場合、先ず、管体 11に毛髪を挿通した状態で管体 11をその長手方向に直交する方向で、一対の挟み部 1 15a, 115bで挟持する。一方の挟み部 115aに形成した凸部 116aを管体 11のほぼ中央部で挟んで圧着具 110で押圧すると、管体のほぼ中央部が潰れて周囲方向の外周に凹部が深く形成され、管体とこれに挿通した毛髪との間の隙間が小さくなる。よって、挿通した毛髪に対する管体の締め付け力が強ぐ毛髪に止着した止着具が毛髪力抜け難くなり、また、管体の両端部は強く圧潰されず、管体両端部は中央部から徐々に拡開することとなるので、管体両端部近傍の毛髪は切断され難くなる。図示を省略する力他方の挟み部 115bにも、必要により、挟み部 115aに設けたのと同様の凸部 116aを設けてもよい。この場合、対向する同一位置に各凸部 116aが設けられていると、被圧着物としての毛髪用止着具の外径が大径のものであっても、両サイドから凹部を形成することができる。或いは、挟み部 115aと挟み部 115bとに、各凸部 116aがずらした位置に設けられていると、被圧着物の両サイドから 2筋の凹部を形成することができ、特定種類の被圧着物に対しては圧潰力を増加することができる。

[0038] 図 11は、本発明の圧着具 110の挟み部 115a, 115bが接触する様子を示した図で、（A)はその側面図、（B)は挟み部 115a, 115bの先端側力見た平面図である。図 11 (A) , (B)に示すように、一方の挟み部 115aに形成した凸部 116aの先端部と、他方の挟み部 115bの挟持面 116bの表面とが接触し、毛髪用止着具 10のように管状に形成された被圧着物を圧着することができる。ここで、「圧着」とは、一般に圧力を加えることで被圧着物を固定することを言うが、本明細書では、圧着具に挟扼されて被圧着物が変形し適度に圧潰又は圧縮される状態を含む。また、挟扼とは、挟み部 115a, 115bにて挟持し或る圧力をカ卩えて締め付けることを意味する。

[0039] 図 12は、毛髪用止着具 10を圧着具 110で押圧する過程を模式的に示した図で、 ( A)〜 (C)は側面図、（D)〜 (F)は真円状の毛髪用止着具 10の先端側力も見た斜視図、（G)は押圧した後の毛髪用止着具 10の圧潰状態の斜視図である。図 12 (A) , ( D)に示すように、挟み部 115a及び 115bの各挟持面 116, 117の先端部で毛髪用止着具 10を挟持し、図 12 (B) , (E)に示すように、毛髪用止着具 10を挟み部 115a の凸部 116aと挟み部 115bの挟持面 117とで押圧すると、管体 11が徐々に潰れて楕円状に変形する。さらに圧力を加えていくと、図 12 (C) , (F)に示すように、凸部 1 16aが管体 11に食い込んで、図 12 (G)に示す凹部 16が形成され、凸部 116aの両サイドの切削面 116b, 116bの両端、即ち、挟み部 115aの先端部の幅で、凹部 16 の食い込みより浅めに凹んで、凹部 16と滑らかに繋がる凹み 17を形成する。このとき、挟み部 115b側の挟持面 117、つまり溝 118の上端面で、凸部 116a及び挟み部 1 15aの先端部で形成された凹部 16及び凹み 17に対向する面は、挟み部 115bの先端部の幅だけ凹み 18を形成する。

よって、毛髪用止着具 10を圧着具 110で挟扼すると、毛髪用止着具 10の両端 19 側は、圧着具 110の凸部 116aが食い込む距離ほど圧縮されない。つまり、毛髪用止着具 10は、あた力も「鼓」のように、凸部 116aが食い込む位置で窪んでおり、両端 1 9側が開いた形状になる。このように、毛髪用止着具 10の両端 19が中央の凹部 16 に比べて圧潰量が少ないため、毛髪用止着具 10に頭髪を挿通し押圧固定されている毛髪用止着具 10を取り外す場合には、鉗子や鉤針などの取外し具を毛髪用止着具 10に挿入し易くなり、毛髪用止着具 10の内周を迅速に広げることができる。よって、この毛髪用止着具 10の取り外し作業を容易にかつ迅速に行うことができる。

[0040] 再び図 2を参照して、擬毛 15を付設した毛髪用止着具 10を頭髪 101に装着する場合を例に挙げて更に説明する。

図 2に示すように、頭部 100に生える自毛 (頭髪） 101の一部を、毛髪用止着具 10 の管体 11に挿通して毛髪用止着具 10をできるだけ頭髪の根元近傍まで移動させて、管体 11の外周 11aを圧着具 110で圧着する。このとき、管体 11の軸方向に対して、圧着具 110の挟み部 115aに設けた凸部 116aの延設方向が交わるように、好ましくは直交するように、圧着具 110の挟み部 115a, 115bで管体 11の外周 11aを挟んで力しめる。これにより、毛髪用止着具 10の外周 11aの一部だけに、毛髪用止着具 10 の軸方向に対して直交するように、線状又は細幅状の凹部 16と凹み 17とが形成され、これにより、挿通した自毛 101と毛髪用止着具 10の内周との間に隙間が形成されることなく、毛髪用止着具 10で自毛 101を締め付けることができる。直径が 3mm、その長さが 3〜5mm程度の非常に小さい毛髪用止着具であっても、圧着具 110の挟持面 116に形成した凸部 116aの幅や高さを適宜設定することにより、毛髪用止着具 1 0を部分的に容易に圧潰して、図 12に示す凹部 16や凹み 17を毛髪用止着具 10の一部に形成することができる。

[0041] 市販のプライヤーでは、毛髪用止着具を長さが約 3〜5mmの極めて短い長さに構成したとしたら、管体の全長にわたって押し潰してしまう。そのため、押圧力が分散して管体全体が扁平になり、且つプライヤー先端部の挟み部の溝で形成される管体外周に形成される凹部が浅くなつて、管体内部とこの管体に挿通した毛髪との間の隙間が大きくなる。それ故、挿通した毛髪の締め付けが弱ぐ毛髪用止着具が毛髪から抜け易ぐまた圧潰された管体の両端部近傍の毛髪が切れ易いものであった。これに対して本発明の圧着具では、毛髪用止着具 10をかしめる場合、頭髪 101を止着具の管体 11に挿通して管体 11の外周 1 laの一部、例えば中央部分を圧着具の凸部 116aで押圧することで、凸部 116aに局所的に押圧力が作用し、さらに、挟み部の一方 115aに形成された長手方向の凸部 116aでまた他方 115bに上記凸部と交わる方向に形成された溝 118により、管体外周に形成される凹部 16が深くなつて、管体内部とこれに挿通した頭髪との間の隙間が小さくなり、挿通した頭髪の締め付け力が強い。そのため頭髪に止着した止着具が頭髪 101から抜け難くなる。

毛髪用止着具 10の両端は、図 12 (G)に示したように、圧着具 110の凸部 116aが食い込む距離ほど圧潰されない。つまり、毛髪用止着具 10は、あた力も「鼓」のように、凸部 116aが食い込む位置で窪んでおり、両端側が開いた形状になる。よって、毛髪用止着具 10の両端力容易に鉗子や鉤針などの取り外し具を挿入し、毛髪用止着具 10の内周を広げて毛髪用止着具 10を取り外すことができる。

[0042] 以上のように、自毛 101に擬毛 15を付設した毛髪用止着具 10を装着するば力りでなぐ所謂エクステンションなどの付け毛や動植物、キャラクターグッズなどの各種の装飾品を有するアクセサリーなどの髪飾りを自毛に装着する場合や、かつらの内側に毛髪用止着具 10を取り付け頭髪をこの止着具に挿通してかつらを固着する場合において、本発明の圧着具 110を用いて毛髪用止着具 10を圧着することができる。このとき、自毛 101が毛髪用止着具 10で締め付けられるので、自毛 101が毛髪用止着具 10から容易に抜けないようにすることができる。つまり、本発明の圧着具 110を用いることにより、毛髪用止着具 10の管体 11の一部、例えば中央部分だけを、所定圧力で圧潰することができ、丁度、和太鼓の「鼓」状に、管体 11の中央部が縮径されると共に、両端又は一端が潰されていないか又は圧潰部分に比して漏斗状に拡開するので、鉗子や鉤針をこの拡開部分に挿し入れることで、頭髪力容易に毛髪用止着具を取り外すことができ、作業性が向上する。

本発明の圧着具 110は、このように毛髪用止着具 10を毛髪に止着する場合だけでなぐその他の被圧着物を効率良く圧着することができる。図 13 (A)は圧着具 110の別の使用形態の一例を示した斜視図、 (B)は (A)の矢印 Fから見た様子を示した図である。図 13では、導線 310に圧着端子 400を取り付ける場合を例に挙げている。図 13に示すように、被覆導線 300の先端部の被覆を剥がして圧着端子 400の中空 4 10に挿通し、中空 410を形成する管部 420の外周を圧着具 110で圧着する。このとき、管部 420の軸方向、つまり導線 310の方向に対し、圧着具 110の凸部 116aの延設方向が交わるように、好ましくは直交するように、握持部 113a, 113bを軸 111を中心にして回動させて、圧着具 110の挟み部 115a, 115bで管部 420を挟む。図 14は、圧着端子 400の管部 420を圧着具 110で圧着させた後の圧着端子 400を示した平面図である。図に示すように、圧着端子 400の管部 420の外周に、軸方向に対して直交するように凹部 430が形成される。これで、凹部 430がその幅を狭くして形成され、導線 310の外周が圧着端子 400の内周壁の一部と当接し、場合により導線 31 0の一部を曲げるので、導線 310が圧着端子 400から容易に抜けな、ようにすることができる。

Claims

請求の範囲

[1] 複数本の頭髪を挿通した状態で圧潰される管体と該管体の内周面に粘着剤を介して内張りしたネット部材とで構成した複数の毛髪用止着具を、かつら本体内周縁に適宜の間隔で固定し、

上記かつら本体を装着者の頭部に載置した状態で、上記管体に複数本の頭髪を挿通して上記毛髪用止着具を頭皮近傍へ移動させ、

次いで、上記管体を圧潰して頭髪に対して毛髪用止着具を緊締すると共に、上記ネット部材の目力も浸潤した粘着剤で該頭髪をネット部材と接着し、

上記管体への頭髪の挿通、頭皮近傍への移動及び圧潰を順次行うことで、複数の毛髪用止着具を頭髪に固定することにより、かつらを頭部に装着することを特徴とする、かつら装着方法。

[2] 複数本の毛髪を挿通する管体と該管体の内周面に内張りしたネット部材とを備えたことを特徴とする、毛髪用止着具。

[3] 前記管体は金属製の圧潰可能な短筒でなることを特徴とする、請求項 2に記載の毛髪用止着具。

[4] 前記ネット部材は、粘着剤を介して前記管体内表面に接着して内張りされていることを特徴とする、請求項 2に記載の毛髪用止着具。

[5] 前記粘着剤は、両面に粘着剤層を有する両面接着テープで構成されてヽることを特徴とする、請求項 4に記載の毛髪用止着具。

[6] 前記管体は、肉厚が 0. 2mn！〜 0. 3mm、長さが 2. 5mn！〜 3. 5mmに設定されてなることを特徴とする、請求項 2〜4の何れかに記載の毛髪用止着具。

[7] 複数本の頭髪を挿通する圧潰可能な管体及び該管体の内周面に内張りしたネット部材を備えた止着具本体と、

上記止着具本体をかつらの内面に固定する固定部材と、を具備し、

上記管体に複数本の頭髪を挿通した状態で該管体を圧潰することにより、該頭髪と止着具本体とでかつらを頭部に保持するようにしたことを特徴とする、毛髪用止着具

[8] 前記固定部材が、前記止着具本体を固定する基部と、該基部表面に備えた粘着剤層と、該基部背面に前記止着具本体を固定する紐とからなり、上記基部表面の粘着剤層をかつら内面に貼着してかつらに固定することを特徴とする、請求項 7に記載の毛髪用止着具。

[9] 前記固定部材の基部が、芯材の表面に塗布した粘着剤層を有する接着テープでなり、該基部背面の芯材に前記止着具本体を固定することを特徴とする、請求項 8に記載の毛髪用止着具。

[10] 前記固定部材の基部が、芯材の表面及び背面に塗布した二つの粘着剤層を有する両面接着テープでなり、該基部背面の粘着剤層に前記止着具本体を貼着することを特徴とする、請求項 8に記載の毛髪用止着具。

[11] 前記紐は前記止着具本体の管体に挿通され、かっこの紐の両端を前記基部に貫通して結着することで、前記止着具本体を前記基部に固定することを特徴とする、請求項 8に記載の毛髪用止着具。

[12] かつら本体と該かつら本体内面の周縁に固定した複数の毛髪用止着具とからなり、上記毛髪用止着具が、複数本の頭髪を挿通し挿通状態で圧潰される管体と、該管体の内周面に内張りしたネット部材と、このネット部材と管体内壁との間に介在させてネット部材を管体に接着する接着テープと、を有することを特徴とする、毛髪用止着具を備えたかつら。

[13] 前記管体の軸が前記かつら本体の周縁に対して直角方向になるように、前記毛髪用止着具を前記かつら本体内周縁に固定したことを特徴とする、請求項 12に記載の毛髪用止着具を備えたかつら。

[14] 一対の杆体が軸部を中心に回動可能に軸支され、上記杆体の軸部より先端側に形成された挟み部同士で毛髪用止着具を圧着する圧着具において、

杆体に形成した挟み部の少なくとも一方に、凸部が上記杆体の長手方向に延設するように形成されており、

上記挟み部同士で毛髪用止着具を挟扼することにより、上記凸部に対応する線状又は細幅状の凹部を上記毛髪用止着具に形成することを特徴とする、圧着具。

[15] 前記一対の杆体のうち、他方の杆体に形成した挟み部には、滑り止め用の溝が前記凸部と交わる方向に一本以上形成されていることを特徴とする、請求項 14に記載の圧着具。

[16] 前記凸部が、前記杆体の一対の挟み部に、各杆体の長手方向に延設してそれぞれ形成されていることを特徴とする、請求項 14に記載の圧着具。

[17] 前記凸部が、前記杆体の一対の挟み部に、各杆体の長手方向に且つ同一位置に延設してそれぞれ形成されていることを特徴とする、請求項 14又は 16に記載の圧着具。

[18] 前記凸部が、前記杆体の一対の挟み部に、各杆体の長手方向に且つ異なる位置に延設してそれぞれ形成されていることを特徴とする、請求項 14又は 16に記載の圧着具。

[19] 前記凸部が、一筋以上形成されていることを特徴とする、請求項 14乃至 16の何れかに記載の圧着具。

[20] 前記凸部が、一筋以上形成されていることを特徴とする、請求項 17に記載の圧着具。

[21] 前記凸部が、一筋以上形成されていることを特徴とする、請求項 18に記載の圧着具。